Power BI Modeling MCP Server の導入手順

2025年11月28日 20:26
Last updated on 2025年11月28日 21:02

導入

この記事の目的
Power BI の公式MCP Serverを手動インストールし、Cursor や Claude Code、任意の MCP クライアントから接続する手順を解説する。

対象読者

  • Power BI の開発を自動化したいエンジニア
  • VS Code 拡張以外(Cursor、CLI、Claude Code など)から MCP を利用したいユーザー
  • モデル開発を効率化したいBIエンジニア・データアナリスト

記事構成

  1. Power BI Modeling MCP Server の概要
  2. 手動インストール手順
  3. MCP クライアントへの登録例(Cursor、Claude Code、CLI)
  4. 動作確認
  5. 考察とまとめ

Power BI Modeling MCP Server の概要

Power BI Modeling MCP Server とは何か?

Power BI のモデル情報(メジャー、テーブル、関係、ロールなど)を
MCP (Model Context Protocol) 経由で外部ツールから扱えるようにする公式サーバー。

特徴

  • Power BI Desktop 、Fabric Workspaceのセマンティックモデル、Power BI Projectファイルに対して双方向編集が可能
  • テーブル一覧やメジャー一覧の取得
  • メジャー・KPIの作成や変更
  • JSON ベースの MCP プロトコルに対応
  • VS Code 以外のクライアント(Cursor / Claude Code / CLI)でも利用可能

Power BI Modeling MCP の導入手順


1. 準備

必要な環境

  • Windows 10/11 (64bit)
  • Power BI Desktop(最新版)
  • .NET Runtime(サーバー実行に必要、通常は同梱のため不要)
  • Cursor、Claude Codeなど任意の MCP クライアント

リポジトリ

https://github.com/microsoft/powerbi-modeling-mcp


2. MCP Server の手動インストール

① MCP Server の VSIX をダウンロード

公式リポジトリの Release から VSIX を取得する
win32-x64 の最新版(powerbi-modeling-mcp-x.x.x.vsix)をダウンロード


② ダウンロードしたVSIXの拡張子を zip に変更

powerbi-modeling-mcp-x.x.x.vsix → powerbi-modeling-mcp-x.x.x.zip

③ 好きなフォルダに解凍する

例:
C:\MCPServers\PowerBIModelingMCP

フォルダ構成は以下のようになる:

C:\MCPServers\PowerBIModelingMCP\
   └ server\
       └ powerbi-modeling-mcp.exe

④ MCP サーバーを起動する(手動確認)

ダブルクリック、またはPowerShell から起動

C:\MCPServers\PowerBIModelingMCP\server\powerbi-modeling-mcp.exe --start

3. MCP クライアントへの登録(JSON 設定)

ほとんどの MCP クライアントでは以下の JSON を mcp-settings.json に追加すれば動く。
パスは任意で格納先に置き換えてください。

{
  "servers": {
    "powerbi-modeling-mcp": {
      "type": "stdio",
      "command": "C:/MCPServers/PowerBIModelingMCP/server/powerbi-modeling-mcp.exe",
      "args": [
        "--start"
      ],
      "env": {}
    }
  }
}

4. 動作確認

Step 1:Connect toコマンドでセマンティックモデルに接続

Power BI Desktop 、Fabric Workspaceのセマンティックモデルにも接続できるようですが、ここではPBIP(Power BI Projectファイル)への接続手順を解説します。
なおPBIPに接続する場合は、事前にPower BI DesktopからプロジェクトをPBIP形式で保存しておきます。
MCPへの接続は、このPBIPディレクトリ内にあるSemanticModelフォルダを指定して接続します。
以下のコマンドを実行すると、MCP接続の確認があり、接続を承認すれば接続が開始されます。

Open semantic model from PBIP folder @/SemanticModel/

Step 2:動作確認

接続が確立されると、自然言語を使ってAIエージェントからセマンティックモデルの読み取り・編集が実行できます。
ここでは動作確認として、セマンティックモデル内のテーブル一覧取得を依頼しました。

セマンティックモデル内のテーブル名を一覧でください

セマンティックモデル内に定義されているテーブルは、以下の一覧となります:
Association
DateTableTemplate_81b13e4d-a259-4d50-a0e1-7a39807f5f63
Sales
Store
Calendar
LocalDateTable_d9fbe243-4814-4038-8eec-593e864a563b
Associated Product
Analysis DAX
Design DAX
% Return Rate
Customer
Issues and Promotions
Age
STable
Tooltip Info
Tooltip Info2
Details

どんな開発スタイルが実現するのか?

Power BI Modeling MCP Server の導入により「AI駆動開発」が実現できます。
マニュアル作業でのレポート開発工程と比較して大幅な省力化・効率化が可能です。

  1. MCPクライアントからセマンティックモデルに接続
  2. AI がモデル構造を解析(テーブル・リレーション・メジャー・列)
  3. 問題点を自動レビュー(不要列・誤った関係・命名規則)
  4. ユーザは自然言語で指示
  5. MCP が DAX / テーブル定義 / リレーション / RLS を更新
  6. テスト用DAXも自動実行して確認

まとめ

本記事では Power BI Modeling MCP Server のインストール手順 を紹介しました。Power BI + MCP の組み合わせは、AI 時代の BI モデリングを高速化する強力な武器 となります。
具体的なBIレポートのAI生成の進め方については、次記事にて詳しく解説いたします。


参考資料