Power BI Modeling MCP Server の導入手順
導入
この記事の目的
Power BI の公式MCP Serverを手動インストールし、Cursor や Claude Code、任意の MCP クライアントから接続する手順を解説する。
対象読者
- Power BI の開発を自動化したいエンジニア
- VS Code 拡張以外(Cursor、CLI、Claude Code など)から MCP を利用したいユーザー
- モデル開発を効率化したいBIエンジニア・データアナリスト
記事構成
- Power BI Modeling MCP Server の概要
- 手動インストール手順
- MCP クライアントへの登録例(Cursor、Claude Code、CLI)
- 動作確認
- 考察とまとめ
Power BI Modeling MCP Server の概要
Power BI Modeling MCP Server とは何か?
Power BI のモデル情報(メジャー、テーブル、関係、ロールなど)を
MCP (Model Context Protocol) 経由で外部ツールから扱えるようにする公式サーバー。
特徴
- Power BI Desktop 、Fabric Workspaceのセマンティックモデル、Power BI Projectファイルに対して双方向編集が可能
- テーブル一覧やメジャー一覧の取得
- メジャー・KPIの作成や変更
- JSON ベースの MCP プロトコルに対応
- VS Code 以外のクライアント(Cursor / Claude Code / CLI)でも利用可能
Power BI Modeling MCP の導入手順
1. 準備
必要な環境
- Windows 10/11 (64bit)
- Power BI Desktop(最新版)
- .NET Runtime(サーバー実行に必要、通常は同梱のため不要)
- Cursor、Claude Codeなど任意の MCP クライアント
リポジトリ
https://github.com/microsoft/powerbi-modeling-mcp
2. MCP Server の手動インストール
① MCP Server の VSIX をダウンロード
公式リポジトリの Release から VSIX を取得する
win32-x64 の最新版(powerbi-modeling-mcp-x.x.x.vsix)をダウンロード
② ダウンロードしたVSIXの拡張子を zip に変更
powerbi-modeling-mcp-x.x.x.vsix → powerbi-modeling-mcp-x.x.x.zip③ 好きなフォルダに解凍する
例:
C:\MCPServers\PowerBIModelingMCPフォルダ構成は以下のようになる:
C:\MCPServers\PowerBIModelingMCP\
└ server\
└ powerbi-modeling-mcp.exe
④ MCP サーバーを起動する(手動確認)
ダブルクリック、またはPowerShell から起動
C:\MCPServers\PowerBIModelingMCP\server\powerbi-modeling-mcp.exe --start
3. MCP クライアントへの登録(JSON 設定)
ほとんどの MCP クライアントでは以下の JSON を mcp-settings.json に追加すれば動く。
パスは任意で格納先に置き換えてください。
{
"servers": {
"powerbi-modeling-mcp": {
"type": "stdio",
"command": "C:/MCPServers/PowerBIModelingMCP/server/powerbi-modeling-mcp.exe",
"args": [
"--start"
],
"env": {}
}
}
}
4. 動作確認
Step 1:Connect toコマンドでセマンティックモデルに接続
Power BI Desktop 、Fabric Workspaceのセマンティックモデルにも接続できるようですが、ここではPBIP(Power BI Projectファイル)への接続手順を解説します。
なおPBIPに接続する場合は、事前にPower BI DesktopからプロジェクトをPBIP形式で保存しておきます。
MCPへの接続は、このPBIPディレクトリ内にあるSemanticModelフォルダを指定して接続します。
以下のコマンドを実行すると、MCP接続の確認があり、接続を承認すれば接続が開始されます。
Open semantic model from PBIP folder @/SemanticModel/Step 2:動作確認
接続が確立されると、自然言語を使ってAIエージェントからセマンティックモデルの読み取り・編集が実行できます。
ここでは動作確認として、セマンティックモデル内のテーブル一覧取得を依頼しました。
セマンティックモデル内のテーブル名を一覧でください
セマンティックモデル内に定義されているテーブルは、以下の一覧となります:
Association
DateTableTemplate_81b13e4d-a259-4d50-a0e1-7a39807f5f63
Sales
Store
Calendar
LocalDateTable_d9fbe243-4814-4038-8eec-593e864a563b
Associated Product
Analysis DAX
Design DAX
% Return Rate
Customer
Issues and Promotions
Age
STable
Tooltip Info
Tooltip Info2
Details
どんな開発スタイルが実現するのか?
Power BI Modeling MCP Server の導入により「AI駆動開発」が実現できます。
マニュアル作業でのレポート開発工程と比較して大幅な省力化・効率化が可能です。
- MCPクライアントからセマンティックモデルに接続
- AI がモデル構造を解析(テーブル・リレーション・メジャー・列)
- 問題点を自動レビュー(不要列・誤った関係・命名規則)
- ユーザは自然言語で指示
- MCP が DAX / テーブル定義 / リレーション / RLS を更新
- テスト用DAXも自動実行して確認
まとめ
本記事では Power BI Modeling MCP Server のインストール手順 を紹介しました。Power BI + MCP の組み合わせは、AI 時代の BI モデリングを高速化する強力な武器 となります。
具体的なBIレポートのAI生成の進め方については、次記事にて詳しく解説いたします。